電気料金が高いと感じたら?まず確認したいポイントをわかりやすく解説

電気・省エネ

「最近、電気代が高くなった気がする」

「去年の同じ時期より請求額が増えている」

「電力会社を変えた方が安くなるのだろうか」

毎月の電気料金を見て、このように感じることはありませんか。

電気代が高くなると、まず「もっと安い電力会社へ変更した方がいいのでは?」と考える方もいるでしょう。

しかし、電気代が高くなった原因が電力会社にあるとは限りません。

電気料金は、使用した電気の量だけで決まるものではなく、契約している料金プランや料金単価、燃料価格などを反映する調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)など、複数の要素によって変わります。

また、時期によっては政府による電気料金の支援が行われていることもあり、同じように電気を使っていても請求額が変わる場合があります。

そのため、請求額だけを見て電力会社の変更を判断するのではなく、まずは「何が変わって電気料金が高くなったのか」を整理することが大切です。

この記事では、電気料金が高いと感じたときに、最初に確認しておきたいポイントを順番に解説します。

電気料金が高いと感じたら、まず「使用量」と「請求額」を比べる

電気料金の使用量と請求額を前月・前年同月で比較するポイント

電気料金が高いと感じたときに、最初に確認したいのが、次の2つです。

  • 電気使用量(kWh)
  • 請求額

請求額だけを見るのではなく、使用量と一緒に確認することがポイントです。

たとえば、前月より請求額が増えていたとしても、エアコンなどを使う時間が増えて電気使用量も大きく増えているのであれば、電気代が高くなった主な理由は使用量にある可能性があります。

反対に、使用量がそれほど変わっていないのに請求額が増えている場合は、料金単価や調整額など、別の部分も確認する必要があります。

前月だけでなく前年同月とも比較する

電気料金を確認するときは、前月との比較だけで判断しない方がよいでしょう。

電気の使用量は季節によって大きく変わることがあるためです。

たとえば、次のような電気機器は、季節や気温によって使用時間が変わりやすくなります。

  • 夏のエアコン
  • 冬の暖房
  • 電気給湯器
  • 衣類乾燥機
  • 除湿機

そのため、7月と8月、12月と1月のような前月比較だけでは、電気料金が高くなった原因を正確に判断できないことがあります。

そこで確認したいのが前年同月の使用量と請求額です。

今年8月の電気料金が高いと感じたのであれば、今年7月だけではなく、前年8月の使用量や請求額とも比べてみましょう。

電気使用量が増えていないか確認する

次に確認したいのが、実際に使用した電気の量です。

電気使用量は一般的に「kWh(キロワットアワー)」という単位で表示されています。

たとえば、

  • 前年同月:300kWh
  • 今年同月:380kWh

となっていれば、請求額だけでなく使用量そのものが増えています。

家族の人数や在宅時間が変わった、冷暖房を使う時間が増えた、新しい家電を使い始めたなど、生活の変化がなかったか振り返ってみましょう。

このような場合は電力会社の変更だけを考えるのではなく、なぜ使用量が増えたのかを確認することも重要です。

請求額だけが増えている場合は料金単価や調整額も確認する

一方で、「前年とほぼ同じ使用量なのに、請求額が高くなっている」ということもあります。

電気料金には、使用量に応じた電力量料金だけでなく、燃料価格などを反映する調整額や再エネ賦課金なども含まれているためです。

また、契約している電力会社や料金プランによっては、料金単価や料金の計算方法が変更されることもあります。

使用量が増えたのか、それとも同じ量の電気を使ったときの負担が変わったのか。

この2つを分けて考えると、電気代が高くなった原因を整理しやすくなります。

電気料金は何で決まる?

基本料金・電力量料金・調整額・再エネ賦課金など電気料金を構成する主な項目

家庭向けの電気料金は、契約している電力会社や料金プランによって計算方法が異なります。

代表的な料金体系では、おおまかに次のような項目から電気料金が構成されています。

主な項目 内容
基本料金など 契約容量などに応じて決まる料金
電力量料金 使用した電力量(kWh)に応じて計算される料金
燃料費調整額など 燃料価格などの変動を電気料金へ反映する料金調整項目
再エネ賦課金 再生可能エネルギーの普及に必要な費用を電気利用者が負担する仕組み

ただし、すべての料金プランが同じ構成になっているわけではありません。

基本料金を設けていないプランや、時間帯によって電力量料金の単価が異なるプランなど、さまざまな料金体系があります。

また、自由料金プランでは、電力会社によって独自の料金調整項目が設定されている場合もあります。

そのため、電気料金を見るときは、自分が契約している料金プランではどのように料金が計算されているのかを確認することが大切です。

電気料金の各項目については、別記事「電気料金の内訳とは?基本料金・電力量料金・燃料費調整額などを解説」で詳しく解説します。

電気代が高くなる主な原因

電気代が高くなる原因は一つではありません。

大きく分けると、次のような可能性があります。

電気の使用量が増えている

最も分かりやすいのが、電気使用量そのものが増えているケースです。

冷暖房を使う時間が増えたり、在宅時間が長くなったりすれば、同じ料金プランでも電気料金は高くなります。

家族構成や生活時間、使用する家電が変わった場合も使用量に影響します。

まずは請求額だけではなく、前年同月などと使用量を比較してみましょう。

電気料金の単価や料金プランが変わっている

電気料金の単価や料金体系は、ずっと同じとは限りません。

料金プランの改定などによって、以前と同じ使用量でも請求額が変わる場合があります。

また、電力小売の全面自由化後は、電力会社からさまざまな自由料金プランが提供されています。

そのため、現在の料金を確認するときは「どこの電力会社か」だけではなく、どの料金プランを契約しているかまで確認する必要があります。

燃料価格や電力調達に関係する調整額が変わっている

電気料金には、燃料価格などの変動を料金へ反映する仕組みが設けられていることがあります。

代表的なものが燃料費調整額です。

燃料費調整額とは、原油・LNG(液化天然ガス)・石炭などの燃料価格の変動を、一定のルールに基づいて電気料金へ反映する仕組みです。

また、自由料金プランでは、電力会社によって異なる名称や仕組みの料金調整項目が設けられている場合があります。

そのため、基本料金や電力量料金だけを比較しても、実際の負担まで正確に比較できないことがあります。

再エネ賦課金などの負担額が変わっている

毎月の電気料金には、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)も含まれています。

再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの普及に必要な費用を、電気の使用量に応じて電気利用者が負担する仕組みです。

賦課金単価は年度ごとに設定されるため、電気の使用量が同じでも年度によって負担額が変わることがあります。

再エネ賦課金の単価や適用期間は年度ごとに変わるため、最新情報は経済産業省「2026年度の賦課金単価」で確認できます。

電気料金の支援制度が変わっている場合もある

国による電気料金の支援も、請求額を比較するときに確認しておきたいポイントです。

電気料金への支援が実施されている期間は、対象となる家庭などの電気料金が値引きされることがあります。

反対に、支援内容が変更されたり支援期間が終了したりすると、電気の使用量などが大きく変わっていなくても、実際の請求額が増える場合があります。

前年や数か月前の請求額と比較するときは、当時と現在で料金支援の状況が同じだったかも確認しておくとよいでしょう。

なお、電気代が高くなる理由については、別記事「電気代はなぜ上がる?電気料金が高くなる主な理由」で詳しく解説します。

今の電力会社だけでなく「料金プラン」も確認する

電力会社名だけでなく現在契約している料金プランを確認するポイント

電気料金を見直すときに意外と見落としやすいのが、現在契約している料金プランです。

「東京電力を使っています」

「新電力の○○電気です」

という電力会社名だけでは、現在の料金体系までは分かりません。

電気料金を比較するには、電力会社名と料金プランをセットで確認することが重要です。

同じ電力会社でも料金プランは一つではない

一つの電力会社が複数の料金プランを提供していることは珍しくありません。

たとえば、東京電力エナジーパートナーでも、従量電灯B・Cのほか、スタンダード、プレミアム、スマートライフ、夜トクなど複数の料金プランがあります。

同じ電力会社と契約していても、プランによって料金体系や契約条件は異なります。

そのため、「地域の大手電力会社だから高い」「新電力だから安い」というように、会社名だけで判断するのは適切ではありません。

昔から契約しているプランと現在の自由料金プランは仕組みが違う場合がある

2016年4月の電力小売全面自由化により、家庭でも電力会社や料金メニューを選べるようになりました。

一方で、従来からある規制料金の対象となる料金プランもあります。

規制料金と、電力会社が独自に設定する自由料金では、料金体系や燃料費調整などの条件が異なる場合があります。

そのため、長年同じ電力会社を利用している場合でも、現在どの料金プランを契約しているのか確認しておくことが大切です。

規制料金と自由料金は、同じ電力会社でも料金メニューや調整額の扱いが異なる場合があります。制度の基本は電力・ガス取引監視等委員会「電力小売全面自由化に関するよくあるご質問と回答集」も参考になります。

新電力を利用している場合も現在のプランを確認する

すでに新電力へ切り替えている場合も同じです。

契約した当時は自分に合っていた料金プランでも、その後に料金体系や生活スタイルが変わっている可能性があります。

また、新電力によっては独自の料金調整項目を設けている場合があります。

現在の料金を判断するときは、契約した当時のイメージではなく、現在適用されている料金プランと契約条件を確認することが重要です。

セット割や特典が今の生活に合っているか確認する

電力会社や料金プランによっては、電気料金そのもの以外の特典が付いていることがあります。

たとえば、

  • ガスとのセット割
  • 携帯電話とのセット
  • インターネット回線とのセット
  • ガソリンなどに関する特典
  • ポイント還元

などです。

こうした特典を含めることで、家計全体ではメリットが出る場合があります。

一方で、契約した当時と生活スタイルが変わり、セットになっていたサービスを利用しなくなっていることもあります。

たとえば、携帯電話会社を変更したり、対象となるサービスを使わなくなったりすれば、以前ほど特典を活用できていない可能性があります。

反対に、電気料金だけを見ると大きな差がなくても、普段利用しているサービスとのセット割やポイントを含めることでメリットが出る場合もあります。

電気料金を見直すときは、請求額だけでなく、現在もセット割や特典を実際に活用できているかも確認してみましょう。

電力会社を変更すれば必ず電気代が安くなるわけではない

電力会社や料金プランを基本料金だけでなく複数の条件から総合的に比較するポイント

電気代が高いと感じると、電力会社の切り替えを検討する方もいるでしょう。

電力会社や料金プランを変更することで、現在より電気料金を抑えられるケースはあります。

ただし、電力会社を変更すれば必ず安くなるわけではありません。

比較するときは、次のような条件を確認する必要があります。

  • 基本料金
  • 電力量料金
  • 燃料費調整額などの料金調整項目
  • 契約容量
  • 契約期間
  • 解約条件
  • セット割
  • ポイントなどの特典

特に注意したいのが、「基本料金0円」「○%割引」「ポイント還元」といった一つの条件だけで判断することです。

基本料金が安くても、使用量に応じた料金や調整額などを含めると、現在の契約より負担が増える可能性があります。

反対に、基本料金だけを見ると高く感じても、自分の電気の使い方では年間の総額を抑えられる料金プランも考えられます。

料金プランは、一部分の単価や特典ではなく、実際の使い方に当てはめて比較することが重要です。

できれば年間の使用実績で比較する

電気料金プランを比較するときは、1か月分だけではなく、できれば過去1年程度の使用実績を使うと判断しやすくなります。

電気の使い方は季節によって変わるためです。

たとえば、春や秋の電気使用量が少ない家庭でも、夏にエアコンを長時間使用したり、冬に電気暖房を多く使用したりする場合があります。

1か月だけでは有利に見える料金プランでも、年間で比較すると結果が変わる可能性があります。

「今月はいくらになるか」だけではなく、「自分の使い方なら年間でどうなるか」という視点で比較することが大切です。

電気料金を見直すときに確認しておきたいもの

電気料金が高いと感じたら、まず現在の契約状況を確認できるものを用意しましょう。

紙の検針票が発行されている場合は検針票、Web明細を利用している場合は契約先のマイページなどから確認できます。

確認しておきたい主な項目は次のとおりです。

確認するもの 主に見るポイント
電力会社 現在どの会社と契約しているか
料金プラン 正式なプラン名
契約容量など 30A・40Aなど現在の契約内容
電気使用量 何kWh使用しているか
請求額 実際に請求されている金額
料金の内訳 基本料金、電力量料金、各種調整額など
割引・特典 セット割やポイントなど
契約条件 契約期間や解約に関する条件など

特に重要なのは、料金プランの正式名称を確認することです。

同じ電力会社でも複数の料金プランがあるため、会社名だけでは正確な比較ができません。

また、可能であれば数か月分、より正確に比較するのであれば1年程度の使用量と請求額を確認してみましょう。

季節による使用量の変化が分かれば、「電気を使う量が増えたのか」「使用量以外の要因で請求額が変わったのか」を判断しやすくなります。

検針票やWeb明細を見るときは、契約名、契約容量、使用量、基本料金、電力量料金、調整額、再エネ賦課金を順番に確認すると、原因を切り分けやすくなります。

電気料金が高いときによくある質問

電気代が急に高くなったら、まず何を確認すればいいですか?

まずは、今回の請求額だけでなく電気使用量(kWh)を確認してください。

前月だけでなく前年同月とも比較すると、季節による使用量の増加なのか、それ以外の原因が考えられるのかを整理しやすくなります。

使用量があまり変わっていないのに請求額が増えている場合は、料金単価や各種調整額、再エネ賦課金、料金支援の状況なども確認してみましょう。

電力会社を変えれば電気代は安くなりますか?

安くなる場合はありますが、必ず安くなるとは限りません。

現在の料金プラン、電気使用量、基本料金、電力量料金、各種調整額、セット割、契約条件などによって結果は変わります。

電力会社名だけで比較するのではなく、現在の料金プランと変更候補の料金プランを、自分の使用実績に当てはめて比較することが大切です。

電気料金は1か月分だけ比較すれば分かりますか?

1か月分だけでは判断しにくい場合があります。

冷暖房などによって季節ごとの電気使用量が大きく変わる家庭では、特定の月だけを比較すると年間の負担を正確に判断できないことがあります。

可能であれば、過去数か月から1年程度の使用実績を確認するとよいでしょう。

契約している料金プランが分からない場合はどうすればいいですか?

契約している電力会社の検針票、請求書、Web明細、会員ページなどで確認できることがあります。

電力会社名だけでは料金体系が分からないため、見直しを考える場合は料金プランの正式名称まで確認しておくと比較しやすくなります。

まとめ|電気料金が高いと感じたら、まず現在の契約と使用量を確認しよう

電気料金が高くなったと感じても、原因が電力会社だけにあるとは限りません。

使用量が増えていることもあれば、料金単価や料金プラン、各種調整額、再エネ賦課金、料金支援などが影響していることもあります。

そのため、「電気代が高いから、すぐに電力会社を変更する」と考えるのではなく、次の順番で確認していきましょう。

  1. 使用量を確認する
  2. 現在の電力会社・契約内容を確認する
  3. 料金プランを確認する
  4. 過去の使用実績をもとに年間で比較する
  5. 必要であれば料金プランや電力会社を見直す

また、電力会社を比較するときも、基本料金や割引率だけを見るのではなく、電力量料金や各種調整額、契約条件、セット割・特典などを含めて確認することが大切です。

電気料金が高いと感じても、現在の契約内容や使用量によって適した見直し方法は異なります。

まずは検針票やWeb明細を確認し、「現在どのような契約で、どのくらい電気を使っているのか」を把握するところから始めてみてください。

電気料金や今の契約が気になるときは

現在の電気料金を確認しても、「この料金は高いのか分からない」「今の料金プランが自分の使い方に合っているのか判断できない」ということもあるでしょう。

電気料金の見直しは、電力会社を変更することだけが目的ではありません。現在の電力会社や料金プラン、契約容量、使用量、請求額などを確認しながら、今の契約が自分の生活に合っているかを整理することが大切です。

LSGでは、電気料金や契約プランについて、分かる範囲の情報からご相談いただけます。検針票や請求書、Web明細などがある場合は、現在の状況を確認する資料としてご利用いただけます。

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