電力会社が撤退してもすぐ停電するとは限りません
電気は、契約している小売電気事業者だけで届けられているわけではありません。家庭へ電気を送る送配電の仕組みがあり、小売電気事業者は電気の販売や料金請求、契約手続きを担当しています。
そのため、契約中の電力会社が撤退や倒産を発表しても、発表した瞬間にブレーカーが落ちるような形で電気が止まるわけではありません。電力・ガス取引監視等委員会のFAQでも、小売電気事業者が事業を廃止する場合は契約者へあらかじめ周知され、契約者はその周知期間内に別の小売電気事業者へ切り替える必要があると説明されています。

ただし、「すぐ止まらない」ことと「何もしなくてよい」ことは別です。国民生活センターのFAQでも、急に停電になることはない一方で、一般送配電事業者からの通知後に電力の供給が停止されることがあるため、早めに切替手続きを行うよう案内されています。
撤退や倒産の通知を受け取ったら、まずは契約終了日と切替期限を確認しましょう。 不安なまま放置するより、期限を把握してから比較した方が落ち着いて判断できます。
まず確認するのは電力会社からの通知内容です
電力会社の撤退・倒産に関する情報は、メール、郵送、マイページ、公式サイトのお知らせなどで案内されることがあります。最初に確認したいのは、ニュース記事ではなく、自分の契約に関する正式な通知です。

通知では、次の項目を確認します。
- 契約している電力会社名
- 契約中の料金プラン名
- 電気の供給終了日または契約終了予定日
- 新しい電力会社への切替が必要な期限
- 問い合わせ先
- 未払い料金や最終請求の扱い
- ポイント、セット割、キャンペーンの終了条件
特に重要なのは、契約終了日です。いつまでに新しい契約を始める必要があるのかが分からないと、比較に使える時間も分かりません。
通知の文面に「供給終了」「契約終了」「事業撤退」「サービス終了」などの表現がある場合は、同じ意味に見えても手続き期限が異なることがあります。分からない場合は、通知に記載された問い合わせ先や、現在の電力会社の公式案内を確認しましょう。
SNSや比較サイトの情報だけで判断せず、自分宛ての通知と公式情報を優先してください。
次の電力会社へ切り替えるときに必要な情報
新しい電力会社へ申し込むときは、現在の検針票やWeb明細に載っている情報が必要になることがあります。慌てて候補会社だけを探すより、先に手元の情報をそろえると手続きがスムーズです。
確認しておきたい情報は、次のとおりです。
- 契約者名
- 供給地点特定番号
- お客さま番号
- 現在の契約容量、アンペア、kVAなど
- 直近数か月の使用量
- 現在の料金プラン名
- 現在の支払い方法
供給地点特定番号は、電気の使用場所を特定する番号です。切替手続きで必要になることがあるため、検針票やWeb明細、マイページで確認しておきましょう。
現在の使用量も重要です。月100kWh台の家庭と、月400kWh以上使う家庭では、合いやすい料金プランが変わります。電力会社が撤退するからといって、急いで目についた会社へ申し込むと、次の契約が生活に合わないことがあります。
切替先は大手電力だけでなく条件で比較します
電力会社が撤退すると、「やはり大手電力へ戻した方が安心なのか」と考える方もいます。大手電力会社の料金プランを候補にすること自体は自然ですが、大手か新電力かだけで決める必要はありません。

比較するときは、次の順番で見ると整理しやすくなります。
- 供給エリアに対応しているか
- 自宅の使用量に合う料金体系か
- 燃料費調整額や電源調達調整費の扱いはどうか
- 契約期間や解約金はあるか
- セット割やポイントの条件は続けやすいか
- 問い合わせ先やサポート体制は分かりやすいか
撤退・倒産の不安を経験したあとだからこそ、料金だけでなく、契約条件やサポートも見ておくことが大切です。安く見えるプランでも、調整額の上限がない、契約条件が分かりにくい、問い合わせ窓口が限定されるなど、家庭によっては不安が残る場合があります。
電力会社の比較の基本は、電力会社を比較するときのポイントでも整理しています。撤退時の切替でも、見る順番は大きく変わりません。
無契約状態を避けるために放置しないことが大切です
電力会社から撤退や契約終了の通知が来たとき、忙しさや不安から後回しにしたくなることがあります。しかし、通知を放置すると、次の契約が決まらないまま期限を迎える可能性があります。
無契約状態になると、電気の供給に関する案内が一般送配電事業者などから届く場合があります。案内を受け取ったら、すぐに内容を確認し、必要な手続きを進めましょう。
次のような状態なら、早めに整理した方が安心です。
- 電力会社から撤退やサービス終了の通知が届いた
- 契約終了日が近い
- どの電力会社に切り替えればよいか分からない
- 供給地点特定番号や契約情報の見方が分からない
- 高齢の家族名義の契約で手続きに不安がある
- セット割やポイントがどうなるか分からない
特に家族名義や高齢の親の契約では、通知がメールだけに届いて家族が気づきにくいことがあります。紙の請求書がなく、マイページでしか確認できない場合もあるため、契約者本人だけでなく、家族で確認することも大切です。
未払い料金や最終請求も確認します
電力会社が撤退・倒産する場合でも、すでに使った電気料金の支払いがなくなるわけではありません。最終請求、支払い方法、口座振替やクレジットカード決済の扱いは確認しておきましょう。
また、ポイント還元、キャンペーン、ガスや通信とのセット契約がある場合は、電気契約の終了に伴って特典が変わることがあります。電気料金だけでなく、家計全体で影響を見ることが必要です。
ただし、未払い料金を名目にした不審な連絡には注意してください。支払い案内が届いた場合は、送信元、公式サイト、契約者情報を確認し、少しでも不審な点があれば公式窓口や消費生活センターなどへ相談しましょう。
家族名義や賃貸住宅では連絡の届き方にも注意します
電力会社からの大切な通知は、必ずしも家族全員が見える形で届くとは限りません。契約者のメールアドレス、マイページ、郵送先に届くため、実際に電気料金を支払っている人と契約名義人が違う場合は、通知に気づくのが遅れることがあります。
たとえば、親名義の契約を子どもが管理している場合、家族が使っている部屋の電気契約を代表者だけが把握している場合、賃貸住宅で引っ越し時の契約をそのまま使っている場合などは注意が必要です。撤退やサービス終了の案内が届いたら、誰の名義で契約しているか、連絡先が今も使えるものかを確認しましょう。
賃貸住宅でも、一般的には入居者自身が電力会社を選べるケースがありますが、建物全体の契約や管理会社指定の契約になっている場合もあります。通知を受け取ったときに自分で切り替えてよいか分からない場合は、管理会社や大家さんにも確認しておくと安心です。
また、高齢の家族が契約者になっている場合、電話勧誘や不審な請求に戸惑うこともあります。撤退や倒産のニュースをきっかけに慌てて申し込むのではなく、家族で通知文を確認し、公式窓口か信頼できる相談先を通して進めましょう。
撤退・倒産の連絡を受けたときの確認手順
ここまでの内容を、実際の行動順に整理します。
- 電力会社から届いた通知を確認する
- 契約終了日と切替期限をメモする
- 検針票やWeb明細で供給地点特定番号を確認する
- 直近数か月の使用量を確認する
- 候補の電力会社が供給エリアに対応しているか見る
- 料金単価だけでなく調整額、契約期間、解約金を見る
- 期限に間に合うように切替手続きを進める
- 最終請求やセット割の終了条件を確認する
この順番で見れば、焦って契約先を決めるリスクを減らせます。特に、撤退の通知を受けた直後は不安が強くなりやすいため、「まず期限、次に必要情報、最後に比較」という順番で進めるのがおすすめです。
相談前に整理しておくとよい情報
自分だけで判断しにくい場合は、相談前に情報をそろえておくと話が進めやすくなります。すべてを完璧に準備する必要はありませんが、次の資料があると、現在の状況と次に必要な行動を整理しやすくなります。

- 電力会社から届いた撤退・契約終了の通知
- 現在の検針票またはWeb明細
- 供給地点特定番号
- 契約者名と連絡先
- 直近数か月の使用量
- 気になっている切替先の料金表
- セット割やポイントの契約内容
特に、契約終了日と供給地点特定番号は重要です。相談先に伝えることで、急ぐべき状況なのか、比較する時間があるのかを判断しやすくなります。通知の文面が長くて分からない場合でも、写真やPDFで残しておくと確認しやすくなります。
よくある質問
電力会社が倒産したらその日に停電しますか?
通常、倒産や撤退の発表だけでその日に突然停電するとは限りません。ただし、通知後に新しい契約をしないまま放置すると、供給停止につながるおそれがあります。契約終了日と切替期限を確認しましょう。
どの電力会社へ切り替えればよいですか?
一つの正解はありません。地域、使用量、契約容量、生活時間、調整額、契約条件によって合う会社は変わります。まず現在の使用量と契約内容を確認し、条件をそろえて比較しましょう。
撤退した会社の料金は支払わなくてよいですか?
すでに使用した電気料金は、最終請求として支払いが必要になる場合があります。支払い方法や請求時期は、電力会社からの案内を確認してください。不審な請求が届いた場合は、公式窓口で確認しましょう。
通知が来たけれど内容が分からない場合はどうすればよいですか?
契約終了日、切替期限、供給地点特定番号、問い合わせ先を確認します。文面が分かりにくい場合は、電力会社の公式窓口や消費生活相談窓口へ相談しましょう。
まとめ
電力会社が撤退・倒産した場合でも、発表直後に電気が突然止まるとは限りません。しかし、通知を受けたあとに何もしないまま放置すると、無契約状態となり、供給停止につながる可能性があります。
まずは通知内容を確認し、契約終了日と切替期限を把握しましょう。そのうえで、供給地点特定番号、現在の使用量、料金プラン、契約条件を整理し、次の電力会社を比較します。
料金だけでなく、調整額、契約期間、サポート体制、最終請求の扱いまで確認することで、慌てた切替を避けやすくなります。
電力会社の撤退・契約終了通知で不安な方へ
通知内容、契約終了日、供給地点特定番号、次の電力会社の選び方が分からない場合は、現在の明細や通知を確認しながらLSGへご相談ください。

