店舗や工場、作業場で業務用エアコン、ポンプ、冷蔵設備、コンプレッサーなどを使っている場合、「低圧電力」や「動力」と呼ばれる契約をしていることがあります。家庭用の電気料金とは見方が違うため、請求額だけを見ても、どこを見直せるのか分かりにくいと感じる方は少なくありません。
低圧電力の見直しでは、電力量料金だけでなく、契約電力に応じてかかる基本料金が重要です。使用量がそれほど多くない月でも基本料金が重く感じる場合、契約電力や設備状況が現在の使い方に合っているかを確認する価値があります。
この記事では、低圧電力(動力)の電気料金を見直すときに、請求書のどこを見るか、契約電力は何で決まるか、電力会社を変える前に何を確認すべきかを、小規模店舗や事業者の目線で整理します。
| 確認するもの | 見るポイント |
| 契約種別 | 従量電灯、低圧電力、動力、高圧などの表示 |
| 契約電力・容量 | 基本料金に関係するため最初に確認 |
| 使用量 | 季節差、営業日、家庭分と事業分の違い |
| 調整額・契約条件 | 燃料費調整額、電源調達調整費、契約期間 |
低圧電力(動力)とは何に使う契約か
低圧電力の見直しでは、まず家庭用電気との違いを押さえておく必要があります。

低圧電力は、商店、工場、作業場などでモーターを使う機器や業務用設備を動かすための契約です。契約電力が原則50kW未満の範囲で、動力機器の容量や主開閉器容量をもとに契約電力が決められます。
対象になりやすいのは、業務用エアコン、冷蔵・冷凍設備、ポンプ、コンプレッサー、加工機械などです。一般家庭の照明やコンセント用の契約とは料金の仕組みが異なるため、同じ「電気代」でも確認する項目が違います。
低圧電力は、使った電力量だけでなく、契約電力に対する基本料金が大きなポイントです。毎月の使用量が少なくても、契約電力が大きいと固定費が重く感じられることがあります。
請求書で最初に確認する項目
低圧電力の請求書では、契約種別、契約電力、基本料金、使用量、電力量料金、燃料費調整額、再エネ賦課金を確認します。家庭用の電気と同じ感覚で使用量だけを見ると、見直しの優先順位を間違えやすくなります。
特に見るべきなのは、契約電力と基本料金です。契約電力が大きいほど基本料金が高くなるため、現在の設備や使い方に対して契約電力が過大になっていないかを確認します。
一方で、電力量料金も無視できません。夏場の業務用エアコン、冷蔵設備、繁忙期の機械稼働などで使用量が増える場合、季節ごとの使用量の差を見ておくと、プラン比較や契約見直しの判断がしやすくなります。
契約電力は何をもとに決まるのか
低圧電力の基本料金を考えるうえで、契約電力の決まり方は避けて通れません。

低圧電力の契約電力は、使用する動力機器の総容量や主開閉器容量などをもとに決められます。東京電力の説明でも、主開閉器契約と負荷設備契約という考え方が示されています。
主開閉器契約は、ブレーカー容量をもとに契約電力を決める方法です。すべての機器を同時に使わない場合、契約電力を抑えられる可能性があります。ただし、容量を小さくしすぎるとブレーカーが作動し、営業中の停止につながるおそれがあります。
負荷設備契約は、使う電気機器の容量をもとに契約電力を算定する方法です。機器の増設や減設、省エネ機器への入れ替えがあった場合は、現在の契約内容が実態に合っているか確認しましょう。
見直しやすいケースと慎重に判断したいケース
見直しやすいのは、使っていない動力機器が残っている、昔より営業日数が減った、省エネ型の業務用エアコンへ入れ替えた、機械の同時使用が少ないといったケースです。この場合、契約電力や料金プランが今の実態に合っていない可能性があります。
反対に、夏場の空調、冷蔵設備、厨房機器などを同時に使う店舗では、基本料金を下げることだけを優先すると危険です。契約を小さくしすぎると、ピーク時に電気設備へ負担がかかったり、ブレーカーが落ちたりするおそれがあります。
低圧電力の見直しは、節約と営業の安定を両方見る必要があります。安くなるかどうかだけでなく、営業中に止まって困る設備がないかを確認しましょう。
電力会社やプランを変える前に確認すること
低圧電力は、家庭用プランのように単純な比較だけでは判断しにくいことがあります。

電力会社を変える前に、現在の契約電力、使用量、季節ごとの変動、契約期間、解約金、調整額の扱いを確認します。特に動力契約では、基本料金単価だけでなく、契約電力との掛け算で毎月の負担が決まります。
また、電源調達調整費や市場連動型の要素があるプランでは、単価が安く見えても月によって請求が変わることがあります。見積もりでは、直近1か月だけでなく、可能であれば夏場や繁忙期を含めた複数月の使用量で比較しましょう。
家庭用電気と同じ会社にまとめる場合も、動力側まで同じ条件で見直せるとは限りません。家庭用、動力、それぞれで対象プランや契約条件を確認することが大切です。
低圧電力の見直しで失敗しやすい例
低圧電力の見直しで多い失敗は、基本料金だけを見て契約電力を下げようとすることです。たしかに契約電力が下がれば基本料金は軽くなる可能性がありますが、実際の設備容量や同時使用を見ないまま進めると、営業中の停止リスクが高まります。
もう一つは、直近1か月の請求だけで判断することです。動力は夏場の空調、繁忙期の冷蔵設備、季節商品の製造などで使用量が変わります。通常月だけで安く見えても、ピーク月に合わないプランでは不安が残ります。
また、使っていないと思っていた機器が実は一部稼働している、バックヤードの設備が動力側につながっている、管理会社や電気工事店の確認が必要だった、ということもあります。
低圧電力は、家庭用電気より設備との関係が強い契約です。料金表だけで判断せず、請求書、設備、使い方をセットで見ることが失敗を避ける近道です。
相談前に整理しておくとよい設備情報
低圧電力の相談では、請求書だけでなく、どの設備をどの時間帯に使っているかが重要です。正確な型番までは分からなくても、業務用エアコンが何台あるか、冷蔵・冷凍設備があるか、ポンプやコンプレッサーを使っているかを整理しておくと判断しやすくなります。
営業時間、定休日、夏場だけ使う設備、繁忙期だけ動かす機械もメモしておきましょう。契約電力を考えるときは、月の合計使用量だけでなく、同時に使う可能性がある設備の組み合わせが関係します。
古い設備を残したまま使っていない場合、今後撤去する予定がある場合、新しい設備を増設する予定がある場合も、見直しの判断が変わります。今の契約を下げるだけでなく、将来の増設でまた変更が必要にならないかも見ておくと安心です。
設備変更や契約変更は電気工事店との確認が必要なこともある
契約電力の見直しが設備やブレーカー容量に関わる場合、電気工事店や電力会社への確認が必要になることがあります。請求書だけを見て自己判断で変更しようとすると、実際の設備容量と合わない判断になることがあります。
特に、業務用エアコンや冷蔵設備など営業に欠かせない機器がある場合、ピーク時に同時使用しても問題ないかを確認しましょう。節約のために契約を下げた結果、営業中に設備が止まるようでは本末転倒です。
LSGへ相談する場合も、検針票やWeb明細、契約電力、動力機器の一覧があると、確認がスムーズになります。分からない部分は空欄のままでもよいので、まずは現在の情報を集めることから始めましょう。
低圧電力を見直す前のチェックリスト
最後に、低圧電力を見直す前に確認したい項目をまとめます。

請求書で契約種別、契約電力、基本料金、使用量、調整額を確認します。可能であれば、夏場と通常月を比較しましょう。
動力機器の一覧を作り、現在使っている機器、使っていない機器、今後増やす予定の機器を分けます。機器の入れ替えがあった場合は、契約内容が古いままになっていないか確認します。
電力会社を変える前に、契約電力の見直しができるのか、料金プランの変更だけでよいのか、設備確認が必要なのかを整理します。判断が難しい場合は、請求書をもとに相談するのが安心です。
- 請求書またはWeb明細を用意する
- 契約種別と契約電力を確認する
- 現在使っている設備を書き出す
- 変更前に契約期間や調整額を確認する
まとめ
低圧電力(動力)の電気料金は、使用量だけでなく契約電力と基本料金を見ることが重要です。昔の設備や営業形態に合わせた契約がそのまま残っている場合、現在の使い方と合っていないことがあります。
ただし、動力契約は営業に関わる設備と直結します。安さだけでなく、設備が安定して使えるかを確認しながら見直すことが大切です。
よくある質問
低圧電力は家庭用電気と同じように切り替えられますか?
切り替えできる場合もありますが、対象プランや契約条件は家庭用と異なることがあります。動力契約を扱うか、契約電力や調整額の条件を確認しましょう。
契約電力を下げれば必ず安くなりますか?
基本料金は下がる可能性がありますが、同時使用時にブレーカーが落ちるなどのリスクがあります。設備容量と営業への影響を確認してから判断します。
何を用意すれば相談しやすいですか?
検針票やWeb明細、契約電力、使用量、動力機器の一覧、営業日数や使用時間が分かる情報があると確認しやすくなります。
電気契約の見直しで迷ったら、LSGへご相談ください。
請求書や現在の契約内容をもとに、どこから確認すればよいか整理します。家庭用、動力、店舗・事業所の契約で判断に迷う場合も、無理に切り替える前に一度確認しておくと安心です。

